主夫のおっさん

世間の隅っこで細々と生きている、とあるおっさんのブログ

主夫の苦悩

子供を世話する主夫は、世間にどれくらい存在しているのでしょうか。私が感じるに本当にごく少数です。たまに公園やスーパーなどで主夫らしき方を見かけますが、内心「色々大変だけどお互い頑張ろうぜ!」と思いつつ、驚きのあまりなぜか距離を置いてしまうくらいには希少な存在であることは確かです。

そんな一主夫としての、私のこれまでの経験談を書いていきたいと思います。

 

  1. 外出先にて

主夫を悩ませる問題の1つに、トイレでのオムツ交換があります。大きなショッピングセンター、スーパーなどには、今では必ずと言っていいほどオムツ交換台、交換室が常設されていて、ママパパ関係なく利用することができます(初めてオムツ交換室を利用したときはドキドキしました)。

一方で、小さなスーパーにおいては、オムツ交換室はありません。付け加えると、女性用トイレのみにオムツ交換台が備え付けられている場合があります。一度だけですが、買い物中に娘が大泣きし、オムツを替えようとしたのですが、男子トイレに交換台がなく、泣く泣くカートに入っていた品物を全て棚に戻し、車まで戻ってから交換したこともありました。

 

  2.不審者に間違われる

娘のお昼寝後に一緒に公園へお散歩に行き、一時間ほど遊んでから帰宅するのが2人の日課です。公園に行くと子供がいつの間にか走ったり、ジャンプできるようになったり、階段を登れるようになったりと、子供の成長を実感できて見ていて楽しいです。

実家に帰省した時も日課は変わりません。丁度二か月前くらいの少し暖かくなってきたころですが、実家の近くの公園に娘と遊びに行ったときのことです。三月、四月と言えば花粉の季節で、花粉症持ちの私は、この期間だけマスクに花粉用ゴーグルを掛けて外出します。この見るからに怪しい格好が悪かったんでしょうね。

30分くらい公園で遊んでいたところ、習い事の帰りであろう低学年くらいの女の子達が園内に入ってきました。ここで初めての経験をしたのですが、来て早々、私と娘に向かって大きな声で「こんにちは!」と挨拶してくるではありませんか。私も負けじと全員に「こんにちは!」と返し、「最近の子供はしっかりしてんだなぁ」などと感心してしまいました。その後も園内には私と娘、そして女の子達が無邪気に遊んでいるのどかで平和な光景がそこには広がっていました。

しかし、ここで1つ気がかりなことが起こります。私と娘が滑り台へ向かうと彼女達が横に付いてくるのです。それも真横ではなく、2~3mの絶妙な間を保ちながら。最初は「偶然遊ぶ場所が被ったのかな?」と思ったのですが、次にジャングルジムに向かうと、同様に付いてくるのです。そう、我々は彼女達に監視されていたのです。

お気づきの方もいると思いますが、私は彼女たちに不審者扱いされ、学校で教わったであろう『怪しい人物に会った時の対処法』みたいなマニュアルに沿って、娘から私を守ろうとしていたのだと推測しました。最初の挨拶から一連の流れを振り返ると合点がいきます。よく遊ぶ公園に見たことのない親子が遊んでいて、その親らしき人物が怪しい出で立ちをしていたら不審に思われるのは当然の事かもしれません。本当にしっかりした彼女達です。ガッテンガッテン。

疑いの目を向けられたものの、打開策が見つからず、終いには「そろそろご飯だから帰ろっか~(震え声)」とさらっと嘘をつき、逃げるようにその場を後にしました(彼女達にはさらに怪しく見えただろうなぁ…)。以上、事案が発生しかけた主夫のおっさんの話です。俺の自意識過剰であれ!

 

また、主夫であるが故の悲しい性もあります。

 

 3.子供におかしな技を覚えさせたがる

子供はある時を境に、自然と他人の喜びを自分の喜びとして感じるようになるそうです。私が笑うと娘もつられて笑う、とても愛おしく感じる瞬間の1つです。

ある日の家族で外食した時の話。ご飯を食べながらフッと娘を見ると、娘が両手をグッと握って歯を食いしばり、顔をプルプルと震わせたのです(娘はとても健康です)。突然の行動に私と妻は大爆笑(文字に起こすと全くおもしろくありませんが…)してしまい、2人が笑うたびに娘は顔をプルプルと震わせました。

それからというものの、私が娘のプルプル芸をすると、娘もそれを真似し、2人で大爆笑するという鉄板の流れが出来上がりました。

しかし、ケツだけ星人からなる特殊技はいつか怒られるものです。妻の実家へ帰省した際に、一家水入らずで団らんしていたときのことです。ここで何を思ったのか娘が突然、鉄板の笑いを誘う渾身のプルプル芸を披露しました。

私と妻はいつものことなので軽く受け流していたのですが、それを見ていた祖母が「えっ、娘ちゃんどうしたの!?大丈夫!?」と本気で心配しだしました。どうやら孫がひきつけを起こしたと勘違いさせてしまったようです。すぐに私が事情を説明したところ、夫婦共にしっかり怒られました。しょんぼりしている私達を見て、娘は横で「2人共元気出して!」と言わんばかりの顔をしていました。もちろん顔はプルプルしていました。

 

 4.だけどやっぱりママが好き

娘のために絵本を読み、公園で遊び、ご飯を作ってどれだけ尽くしたとしても、妻が仕事から帰宅した途端、気持ちは全てママに持っていかれます。パパは足元にも及ばず、ムーニーマンも敵いません。それだけ子供にとって、母は偉大な存在なのです。そんな愛し合っている2人を見て「今日も無事に主夫としての務めを終えることができた」とスモールゴールを果たし、1日を終えるのです。

 

最近の実体験をおかしく綴ってみました。育児を始めて1年以上経過しましたが、やはり周りから聞いていた通り育児は『大変』です。時には子供のために何もできなかったり、無気力になる日もあります。共働きの家庭では尚更のことでしょう。

今は一杯一杯ですが、育児にもっと『楽しさ』を生み出したり、もっと『おかしさ』を発見したり、変化を楽しめる余裕を持ちたいですね。